設立趣旨


康復医学学会 設立趣旨

 医療は、予防医学に始まり治療医学によって完結するわけではありません。治療を続けることで、その先に必ずしも健康があるとは限らないからです。傷病治療後には“健康を回復する医学”が必要です。傷病後の再発や合併症を防止し、QOL(生活の質)を上げ、いかに限りある健康寿命をより長く良好な状態で過ごすことができるかという視点を核に、身体的健康を維持し、社会的、精神的に安定しバランスの取れた生活を送るための医学を確立すべきなのです。我々は傷病後および老後の健康回復と社会復帰を手助けする研究を通じ、学問としての「康復医学」を確立する所存です。

 「康復医学」は、予防医学・治療医学では行われない療法を基本に、治療の妨げにならない体に優しい方法をとります。専門分野に分かれ医療として統一性のない、古典医学および近代医学の3次予防・リハビリテーション・介護を「康復医学」として統合し、学問として体系付け、よって「康復医学」を第3の医学として確立していきたいと考えます。

 また、現在、「健康の定義」はWHO(世界保健機関)によって明確化
*されていますが、「健康の基準」はありません。何を以て健康というのか・・・・。当学会では、病理に基づくものではなく、微小循環を核にした健康基準を提言・確立していきたいと考え研究を続けています。

 医療、リハビリ、介護、鍼灸、整体などの実践・研究に従事する専門の方々、時代のニーズに合った新しい学問『日本の康復医学』を一緒に作っていこうではありませんか!

  *WHOの保健憲章に掲げられている健康の定義

 Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
 健康とは、完全に、身体、精神、及び社会的によい(安寧な)状態であることを意味し、単に病気でないとか、虚弱でないということではない。


※康復医学学会はあくまでも学術研究団体であり、病気の治療や心理カウンセリング等の医療行為は行っておりません。したがって、日本において康復療法を実践する場合は「医療サポートサービス」であると認識し、その範囲内で行うことが原則です。